TCHについて

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ご存知ですか? お口周りの不調に関わる「TCH」

「咬むと歯が痛む」、「冷たいものがしみる」といった歯の不調を感じて歯科医院を受診しても、別段問題となる箇所が見つけられず様子をみましょう、と言われた経験はありませんか? その原因は顎にかかる「」かもしれません。
力というと歯ぎしりや食いしばりを思い浮かべる方も多いでしょう。ですが、そのような強い力ではなく、上下の歯が接触している弱い力でも、その時間が長ければ不調の原因となることが、近年わかってきました。

痛みの原因

お口周りの痛みには、大きく分けて4つの原因があります。

  • 1.虫歯、歯周病など炎症が原因の痛み
  • 2.歯ぎしり、食いしばり、TCH力が原因の痛み
  • 3.顔面神経痛や三叉神経痛などに伴う神経性疼痛
  • 4.ストレスや精神的不定愁訴などによる原因不明の疼痛

1は視診やレントゲンによって確認することができ、2は骨隆起や歯のすり減り、舌や頬の粘膜につく圧痕(歯型)や咬むための筋肉に緊張などが確認できれば、不必要な力がかかっていることがわかります。
上記以外となるとお顔の神経に障害があるかどうか、口腔以外の他器官に異常がみられないかを精査する必要があります。

最近、顎関節症の原因の一つにもなっているTCHという習癖が、力の癖で起きる疼痛の原因の大きな要因であるといわれています。

TCHとは

TCHとは、Tooth Contacting Habitの略称で、「上下歯列接触癖」のことです。
通常、人は安静時には上下の歯が離れるもの。発音、咀嚼(そしゃく=食べものを咬み砕くこと)、嚥下(えんげ=食べ物などを飲み込むこと)などによる正常な歯の接触時間は、1日およそ17分30秒とされています。これらのタイミング以外も、上下の歯が無意識のうちに接触することで不調をきたすのがTCHです。

どうしてTCHが不調につながるのでしょう

歯に加わる力には「歯ぎしり」や「食いしばり」といったものがありますが、これらはTCHとは全く別のもの。強い力がかかる歯ぎしりや食いしばりは、力のかかり具合が強い一方で、短時間でも不快感や違和感があるため自覚する方も多くなります。ですが、TCHは本人も気づかないような弱い力が継続してかかります。これによって起こる不調とはどんなものがあるのでしょうか?

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歯に継続的な力が加わると、まずは歯根膜(歯を支えている骨と歯根の間にある薄い膜)や歯肉が圧迫され、血行不良や神経障害などが起こります。これが痛みや知覚過敏、咬合異常につながると考えられています。その結果、咬む時だけ痛むというような「機能時疼痛」も典型的な症状の一つとして現れます。また、歯周病に罹った歯の場合、弱い力で歯を揺さぶられるため歯の動揺が起こり、歯周病の悪化が加速します。
TCHのように弱いながらも繰り返し作用する力は、時間単位あたりの力としては小さいものですが、時間という因子が加わることで累積した力が様々なトラブルにつながると考えられます。

どうしてTCHが不調につながるのでしょう

(引用:     )

TCHが起こる原因

本来誰しもTCHを持っていません。癖がなかったはずの状態が、何らかの要因で癖として習得したと考えられます。癖になった歯の接触に脳が慣れてしまい、それに気づかなくなってゆくのです。
本来であれば1日に20分ほどしかない歯の接触が、知らず知らずのうちに何時間も起こることで、筋肉や顎関節、歯、歯周組織まで徐々に疲労していきます。やがてその結果、自覚症状が痛みとして現れるようになります。
TCHの種類には次のようなものが挙げられます。

TCHが起こる原因01

  • 作業性TCH:パソコン作業、精密な作業、家事、車の運転など
  • ストレス性TCH:受験勉強、仕事上の人間関係など
  • 代謝性TCH:糖尿病(血糖調節不良に伴う自律神経の興奮から起こる筋緊張、痙攣) など

お仕事や学生さんでも、このような状況下にある方で、原因不明の疼痛にお悩みの方はTCHを持っている可能性があります。

TCHと顎関節症

顎関節症は、一つの原因ではなく、複数の病因が積み木のように重なって発症すると考えられています。TCHが顎関節症の単独の原因ではありませんが、顎関節症を発症している人の多くにTCHを持つ方がいることも判明しています。
絶えず歯を接触させ続けているTCHは、筋肉や関節を使い続けることになります。その結果、筋肉や関節の痛み、機能障害などが出現しやすくなると考えられます。 ?

TCHと顎関節症

力に対する耐久力は個人によって異なる。同じ要因が積み重なっている場合でも、総合的耐久力が高い人ではトラブルになりませんが、総合的耐久力が低い人では何らかの症状として発症することがあります。また、耐久力が高い人であっても、TCHを解消することで、力に伴う諸症状の緩和につながることもあります。

TCHの是正

無意識で行っているため、本人が気付きにくいTCH。次のようなステップで自覚しにくい力のかかる癖を是正していきます。

STEP01 動機付け

ステップ1:動機付け

親指と人さし指で咬筋、側頭筋を触利ながら口を開け閉めすることにより、歯が接触すると筋が一緒に収縮する感覚を実感します。力のかかっている状態を自覚することで、自分の状態を把握できるようにしましょう。

STEP02 TCHを意識する訓練

ステップ1:動機付け

「歯を離す」、「リラックスする」、「力を抜く」などと書いた貼り紙(リマインダー)を用意して、5分以上いる場所に10カ所以上貼ります。「視線を移せばそこに貼り紙がある」というシチュエーションを作り出してください。リマインダーを見てTCHに気づくことで、脳にTCHをインプットさせます。

STEP03 競合反応訓練

ステップ1:動機付け

「リマインダーを見て、上下の歯が接触しているか自己チェックをし、接触していた場合は、鼻から大きく息を吸い込み、口から息を吐き、体全体の力を抜きます。

TCHは、癖として習得されているので、新たな癖を習得することで是正を目指します。できるところから、始めてみてくださいね。

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